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【2024年】5ちゃんねるの削除依頼と開示請求|弁護士に依頼するメリットなど

5ちゃんねるにおいて、自身を誹謗中傷する投稿(レス)やスレッド(掲示板)を発見した場合、どのように対応するのが良いでしょうか。

本記事では、5ちゃんねるにおける投稿によって誹謗中傷を受けている方が投稿の削除依頼を行う方法や、開示請求によって投稿者を特定する方法を解説します。

また、削除依頼や開示請求を弁護士に依頼するメリットについても記載します。

なお、当事務所でも、5ちゃんねるにおける誹謗中傷にお悩みの方からの依頼を承っております。お気軽にご相談ください。

5ちゃんねるの削除依頼等の方法(5ちゃんねるが認めた弁護士による削除依頼を含む)

【弁護士が解説】悪質な投稿を削除する方法と時間や費用について」でもご説明したとおり、インターネット上の悪質な投稿を削除する方法としては、一般に次の3つが挙げられます。

  • メールその他の方法による削除依頼
  • ガイドラインに基づく削除要請
  • 仮処分命令の申立て

5ちゃんねるに関しては「メールその他の方法による削除依頼」によって削除されることがありますので、まずは「メールその他の方法による削除依頼」を行いましょう。

メールその他の方法による削除依頼」として、具体的には、次の方法が用意されています。

  • メールでの削除依頼
  • 削除依頼フォームからの削除依頼
  • 5ちゃんねるが認めた弁護士による削除依頼

以下、これらの方法について、順にご説明します。

メールでの削除依頼

まず、最も簡便な方法として、メールでの削除依頼が挙げられます。

5ちゃんねるの削除ガイドラインには、次の記載があります。

権利侵害を主張する者は、メール(meiyokison@5ch.net)で削除要請を出すことができる。

削除ガイドライン

この方法で削除依頼を行う際には、この5ちゃんねるの削除ガイドラインを良く読んだ上で対応を進めるようにしましょう。

削除ガイドラインには、削除依頼のメールをする際の「件名」や「内容」についても、どういう内容を記入すべきかが記載されています。

自身で5ちゃんねるにおける投稿の削除を求める場合には、基本的に、このメールによる削除依頼という方法をとることになるでしょう。

削除依頼フォームからの削除依頼

次の方法は、5ちゃんねる内の削除依頼フォームからの削除依頼です。しかし、こちらについては削除依頼が一般に公開されることになるため、その点に注意が必要です。

5ちゃんねるが認めた弁護士による削除依頼

5ちゃんねるの削除ガイドラインには、次の記載が存在します。

5ちゃんねるが、過去に受けた請求から、表現の自由を配慮したリーガルマインドを持った弁護士と認めた者からの請求については、正当な理由があるものについて、原則として対応するものとする。

削除ガイドライン

5ちゃんねるが認めた弁護士が公表されているわけではありませんが、5ちゃんねるに対して投稿の削除を求めて投稿の削除を実現したことのある弁護士に対して削除を依頼することで、投稿が削除される可能性が上がります。

※ 当事務所でも、5ちゃんねるに対して投稿の削除を求めて任意での削除を実現した例がありますので、当事務所へのご相談をご希望の方は、こちらのお問い合わせフォームから、お気軽にご連絡ください。

仮処分について

上記のような任意での削除要請で削除が実現されない場合には、5ちゃんねるを運営するLoki Technology, Inc.を相手方として、仮処分命令を申し立てることになります。

5ちゃんねるにおける削除依頼等から削除までの時間

5ちゃんねるにおける投稿を削除する場合、投稿の削除を要請してから実際に投稿が削除されるまでには、どの程度の時間がかかるでしょうか。

メールその他の方法による削除依頼の場合、ケースバイケースではあるものの、1週間程度かかることもありますが、即日や翌日に削除されることもあります。

特に、弁護士に依頼した場合、弁護士が適切に法的根拠を記載して削除を求めることで、早期に削除される可能性があります。

これに対し、仮処分の場合には、半年以上の期間が必要になります。

5ちゃんねるを運営する「Loki Technology, Inc.」はフィリピン法人ですが、フィリピンは現在「ハーグ送達条約」の加盟国ではありません(HCCH)。そのため、送達に時間がかかり、結果として、仮処分命令が発令されるまでに相当な時間が必要になります。

5ちゃんねるにおける投稿削除とミラーサイト

5ちゃんねるにおける投稿の削除を希望される場合には、5ちゃんねると同じ投稿内容を保持しているサイト(=ミラーサイト)にも意識を向ける必要があります。

5ちゃんねるにおける投稿を削除しただけではミラーサイトの投稿が消えないケースもあることから、その場合には、ミラーサイト上の投稿を削除する必要性も生じます。

5ちゃんねるに関する削除依頼と開示請求

5ちゃんねるで誹謗中傷を受けている場合、投稿の削除を実現するだけでも大きな意味があるケースは少なくありません。

しかし、投稿を削除するだけでは、投稿の削除を実現した後、同一の投稿者によって同じような投稿が繰り返されてしまう可能性もあります。

このような投稿によって再び権利が侵害されてしまうのを避ける観点からは、投稿者を特定するための措置も講じておく方が望ましいと考えられます。

5ちゃんねるに関する開示請求の流れ

発信者情報開示請求

5ちゃんねるの投稿を含め、インターネット上における誹謗中傷等の悪質な書き込みを発見した場合、書き込みを行った者を特定する方法としては一般的に、次の2つのステップを踏む必要があります。

  1. 1) IPアドレスの開示請求
  2. 2) 契約者情報の開示請求

5ちゃんねるの書き込みについても、まずは書き込みの際に使用されたIPアドレスの情報の開示を受ける必要があります。

そして、5ちゃんねる側からIPアドレスの情報の開示を受けられた場合には、その情報を利用して次の手続に移行します。

具体的には、インターネットサービスプロバイダに対し、対象のIPアドレスが割り当てられていた契約者の情報(=投稿者の氏名や住所等の情報)の開示を請求することになります。

インターネットサービスプロバイダは「ある特定の一時点において、あるIPアドレスが、誰に割り当てられていたのか。」という情報をログとして保存しています。

したがって、投稿がされた日時とIPアドレスを特定してインターネットサービスプロバイダに対して開示請求をすることで、投稿者を特定することが可能になります。

以下、この2つのステップについて、詳細を解説いたします。

※ なお、本記事では投稿者の特定の仕組みについて、簡易な解説に留めている点、ご了承ください。詳細については、当事務所が公開している「悪質な投稿を行う投稿者を特定する方法と費用は?」にてご説明しておりますので、こちらをご覧ください。

IPアドレスの開示請求と費用

まず、ファーストステップとしてのIPアドレスの開示請求については、一般的に次の2つの方法が考えられます。

  • メールその他の方法による任意での開示依頼
  • 仮処分命令の申立て

5ちゃんねるの書き込みについても、このいずれかの方法によって対応します。

基本的には、最初に前者の方法で任意での開示を依頼し、それでも開示されないようであれば、後者の仮処分(裁判手続)による開示を求めていくことになります。

任意での開示依頼によって開示される場合、短期間でのIPアドレスの開示を実現できます。また、弁護士報酬その他の費用についても低額に抑えることが可能になります。

これに対し、IPアドレスの開示に関して仮処分命令の申立てを行う場合には、申立てからIPアドレスの開示までに概ね1か月から2か月程度を要する上、弁護士報酬その他の費用についても、金額が嵩む可能性があります。

契約者情報の開示請求

ファーストステップのIPアドレスの開示が実現した場合には、セカンドステップに移行します。

具体的には、インターネットサービスプロバイダに対し、当該IPアドレスの割当てを受けていた契約者の情報(=投稿者の氏名や住所等)の開示を請求します。

このセカンドステップで開示される情報は、重大な個人情報であることから、インターネットサービスプロバイダから任意で開示されることは期待できません。

契約者情報のインターネットサービスプロバイダに対する開示請求は、基本的には発信者情報開示命令の申立てによって行うことになります。

プロバイダ責任制限法の改正前は民事訴訟の提起が必要でしたが、2022年から改正法が施行され、発信者情報開示命令の申立てを行うことができるようになりました。これにより、契約者情報の開示を実現するのにかかる期間は相当程度短縮された印象です。

なお、プロバイダ責任制限法改正と開示請求の関係については、当事務所の次の記事もご参照ください。

※ インターネットサービスプロバイダが契約者情報を開示するに当たっては、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律によってその責任が一定程度制限されているものの、インターネットサービスプロバイダとしては、自己の判断で個人情報を開示してしまった場合に投稿者から損害賠償責任等を追及されるリスクがあることから、裁判手続によらない任意での契約者情報の開示を避ける傾向にあります。もっとも、侵害されている権利の性質や侵害の程度によっては、任意での開示もあり得るでしょう。

誹謗中傷を行う投稿者の特定後の請求

開示請求によって投稿者が特定できた後は、当該投稿者に対して損害賠償を請求できます。

投稿者に対する損害賠償請求によって投稿者から支払われる賠償金は、書き込みによって侵害された権利の性質や、書き込みの内容等によってもケースバイケースであることから、インターネット問題に詳しい弁護士に見通しを尋ねてみることが有益です。

なお、この損害賠償請求において、開示請求に要した弁護士報酬についても、一定程度請求することが可能です。

開示請求に必要となった弁護士費用を投稿者に請求できる可能性については、当事務所の次の記事もご参照ください。

5ちゃんねるの投稿削除や開示請求を弁護士に依頼するメリット

5ちゃんねる上の誹謗中傷に関し、上記のような投稿削除のための手続や、投稿者特定のための開示請求の手続を弁護士に依頼することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。

投稿削除を弁護士に依頼するメリット

まず、5ちゃんねる上の投稿の削除依頼に関しては、弁護士が適切な法的構成をして削除依頼を行う方が、削除が実現できる可能性は上がると考えられます。また、弁護士が代理人として削除依頼を行うことで、削除が実現するまでの期間を短縮できる可能性もあります。

  • 削除が実現できる可能性の上昇
  • 削除実現までの期間の短縮

開示請求を弁護士に依頼するメリット

次に、5ちゃんねるに関する開示請求は、他のインターネット上での誹謗中傷に関する投稿者の特定と同様に、二段階の手続が必要になります。

この二段階の手続をいずれも自分自身で行うことには、軽くはない物理的負担や心理的負担が伴います。5ちゃんねるに関する開示請求を弁護士に依頼した場合、これらの負担を軽減できます。

また、この二段階の手続を進める中では、誹謗中傷によって違法に権利が侵害されていることを適切な法的構成で主張することや、必要な証拠資料を収集する必要があります。弁護士に依頼することで、このあたりの作業を弁護士に代わりに行ってもらえます。

  • 裁判手続に伴う物理的負担および心理的負担の軽減
  • 証拠資料の収集/法的主張の構築の代行

最後に

本記事では、5ちゃんねるにおける投稿の削除依頼等の方法や開示請求の方法について、弁護士に依頼する場合のメリットなどにも触れながらご説明しました。

本文でもご説明したとおり、5ちゃんねるにおける投稿は自身でも削除依頼を行うことはできるものの、削除される可能性を高めるとともに、削除されるスピードを上げる観点から、弁護士に依頼するという選択肢も考慮に入れるのが良いでしょう。

また、5ちゃんねるに関する投稿者特定のための開示請求についても、適切な法的主張を行って投稿者を特定できる可能性を上げる観点からは、弁護士に依頼していくことが考えられます。

当事務所でも、5ちゃんねるにおける投稿の削除や投稿者の特定を希望される方からの依頼を承っておりますので、こちらのお問い合わせフォームから、お気軽にご相談ください。

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