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OpenWorkの悪質な口コミを削除する方法

オープンワーク(OpenWork)は、就職活動や転職活動の際に参考になるサイトの1つで、社員による企業の口コミを閲覧できるサイトです。

就職活動や転職活動中の人にとって有意義なサイトである一方、対象企業の名誉を毀損するような口コミが投稿されてしまった場合には、その企業は信用低下等の影響を受けてしまうことになります。

本記事では、このようなオープンワーク(OpenWork)における口コミを削除する方法を解説します。また悪質な口コミを行った投稿者を特定するための手続の流れについても簡単に解説いたします。

オープンワークの口コミの特徴

オープンワークは、過去には「Vokers(ヴォーカーズ)」との名称で運営されていたサイトです。2019年5月にサービス名が変更されました(日本経済新聞2019年4月23日)。

「OpenWork」という名称には、「より透明性の高い(Open)、仕事(Work)選びを提供する」という想いを込めています。新しいロゴカラーのブルーは、仕事や職場の開放感を高めていくイメージを表現しています。 オープンワークでは、社員クチコミや求人情報なども網羅したジョブマーケット・プラットフォームへの変革をさらに加速していきます。「働く」のすべてをオープンにし、ジョブマーケットの透明性を高めることで、すべての個人が主体的にキャリアを選択できる社会創りに取り組んでまいります。

社名変更およびサービス名変更のお知らせ

オープンワークに掲載される口コミは社員による口コミであり、無料でユーザー登録を行うことで誰でも閲覧可能になります。

社員による口コミであることから、社内の雇用環境等を示す情報として、信用性が高いものと受け取られる可能性が高いと考えられます。

また、オープンワークに掲載される口コミに関しては、FacebookやTwitterに簡単に共有できる仕組みが用意されています。そのため、掲載された口コミがSNSで拡散される可能性も比較的高いと考えられます。

したがって、仮に企業の名誉を毀損するような口コミが投稿されてしまった場合には、新卒採用や中途採用に大きな影響が生じてしまう可能性があります。

※ オープンワークでは、レポート回答ガイドライン(口コミに当たってのガイドライン)を設けているほか、運営ポリシーによれば、口コミのクオリティ維持・向上のためにスタッフによる目視での審査を行っているとされています。また、不適切な口コミの報告システムも用意しているようです。そのため、オープンワークにおいて企業の名誉を毀損するような口コミがなされる可能性は、比較的低いと考えられます。しかし、目視での審査では虚偽の事実か否かまでは判別できないこともあり、企業の名誉を毀損するような口コミが掲載される可能性は否定できません。

オープンワークの悪質な口コミを削除する方法

それでは、オープンワークの口コミを削除するためには、どのような措置を講じれば良いでしょうか。

オープンワークの口コミを削除するための手段として考えられる(i)ガイドラインに基づく書面の送付と(ii)仮処分命令の申立てについて、説明いたします。

ガイドラインに基づく書面の送付

オープンワークが公開している削除申請に関するページでは、書面による削除申請が要請されています。

したがって、まずは運営者に対して書面を送付する形で削除を申請することになります。

口コミを削除するために送付する書面の書式としては、プロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会が作成した「侵害情報の通知書兼送信防止措置依頼書」に従うことが求められています。

口コミが投稿されているURLや、その内容、そして侵害されている権利(名誉権や営業権など)の内容等について、書式にしたがって記載していくことが求められます。

また、オープンワークの運営者に対して口コミの削除を求める際には、次の書類の添付が要請されています。

掲載内容が、クチコミ投稿時の「事実と異なる」ことを明確に証明できるもの(掲載内容が「事実と異なる」場合)

お問合せ(貴社に関する掲載情報の削除依頼)

「侵害情報の通知書兼送信防止措置依頼書」の書き方に不安が残る場合や、何を添付書類とすれば良いのかが分からない場合には、一度弁護士に相談することが考えられます。

インターネット問題の解決に注力している弁護士であれば、侵害情報の通知書兼送信防止措置依頼書の書き方に精通しており、具体的な口コミの内容に応じて記載すべき内容をアドバイスしてくれるほか、収集すべき資料についてもアドバイスしてくれます。

オープンワークでは、削除申請があった場合には弁護士を含む審査チームにて検証するとされていることから、削除を申請する側としても、申請前の段階で弁護士に相談をした上で、適切な主張を行うことが望ましいと考えられます。

仮処分命令の申立て

オープンワークに対して書面を送付して任意での削除を依頼しても口コミが削除されない場合には、仮処分命令の申立てを行うことになります。

この手続に関する費用や期間については「【弁護士が解説】悪質な投稿を削除する方法と時間や費用について」にてご説明しておりますので、こちらもご参照いただけますと幸いです。担保金の供託が必要になる点には、注意が必要かもしれません。

仮処分手続に移行する場合には、適切かつ迅速に手続を進める観点から、弁護士に依頼するのが良いでしょう。特にインターネット問題に注力している弁護士であれば、削除の仮処分手続について精通しているため、そのような弁護士に依頼することで、適切に対応してもらえると考えられます。

当事務所でも仮処分手続の対応を行っておりますので、お困りの場合には、お気軽にご相談ください。

削除の対象となる口コミと注意事項

オープンワークにおける口コミを削除するためには上記の手順を踏むことになりますが、残る問題は「どのような口コミが削除の対象になるか。」という点です。

オープンワークが公開している削除申請に関するページにおいては、次の場合に投稿が非公開になるとされています。

  • 申請内容から掲載情報が明らかに投稿時の「事実と異なる」と判断できる場合
  • 申請内容から掲載情報が明らかに「誹謗中傷に該当する表現を含む」と判断できる場合
  • その他掲載内容が公序良俗に反すると判断できる場合

オープンワークに対して口コミの削除を依頼する場合には、このような取扱いを踏まえた上で、削除要請の根拠となる事情を書面に記載する必要があります。

なお、上記のとおり「事実と異なる」ことを理由とする場合には、そのことを明確に証明できる資料の添付が要請されているため、必要に応じて弁護士にも相談の上、資料も収集する必要があります。

弁護士は、どのような資料があれば口コミの内容が「事実と異なる」ことを明確に証明できるか否かを客観的な立場から検討することができます。したがって、基本的には社内で必要資料を集めることとした場合であっても、最終段階では一度弁護士に対し、(i)収集した資料で「事実と異なる」ことが明確に証明できていると評価できるか(ii)客観的に見て足りていない資料がないかを相談してみるのが良いかもしれません。

オープンワークにおける悪質な口コミを抑止する方法

オープンワークに掲載された悪質な口コミを削除する手順等は上述のとおりです。

もっとも、一度削除したとしても、同じ投稿者によって同様の口コミがなされてしまう可能性も否定できません。

このような将来の口コミを抑止する方法として、投稿者を特定して警告しておくことが考えられます。

悪質な口コミを行う投稿者を特定する方法については「悪質な投稿を行う投稿者を特定する方法と費用は?」にてご説明しておりますので、こちらをご参照ください。

概要だけ本記事にも記載すると、まずは投稿者が口コミの投稿の際に使用したIPアドレスの情報を取得するための手続を行い、その後、当該IPアドレスの割り当てを受けていた投稿者の契約者情報(氏名や住所)を取得するための手続を行うことになります。

特定の2ステップ

このように二段階の手続となることから時間がかかってしまう可能性があるものの、投稿者を特定しておくことは、将来的に同一の投稿者によって悪質な口コミが再度投稿されるリスクを回避するために必要な事項であることから、可能であれば、口コミの削除だけでなく、投稿者特定の手続も講じる方が望ましいと考えられます。

なお、IPアドレスをもとに投稿者の契約者情報を取得できる期間は、投稿者による口コミの投稿後の一定期間に限定されているため、最終的に投稿者を特定することを希望されている場合には、口コミの発見後速やかに特定のための手続に取り掛かる必要がある点には注意が必要です。

最後に

本記事では、オープンワークにおける口コミを削除する方法や、削除の対象となり得る口コミなどについてご説明しました。

上述のとおり、オープンワークにおいて、企業の社会的評価を低下させるような口コミがなされた場合、それを放置すると、新卒採用や中途採用に大きな影響が生じてしまう可能性があります。

オープンワークに対する口コミの削除依頼を行う際に本記事を参考にしていただければ幸いです。

当事務所ではオープンワークにおける口コミの削除も対応しておりますので、お困りの方はこちらのお問い合わせページから、お気軽にお問い合わせください。具体的な口コミの内容に応じ、その削除を実現できる可能性や、削除を実現するための手続について、ご案内いたします。

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