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jpnumberの口コミへの対処方法(開示請求・削除)

知らない間にかかってきていた電話番号にかけ直す際、先にその電話番号を調べてみるということはありませんか。

電話番号を検索キーワードに設定して検索エンジンを利用した際に、上位に表示されるサイトの1つに、jpnumber(JPナンバー)があります。

jpnumberでは、対象の電話番号を使用する企業等の情報に加えて、当該企業等に関する口コミも掲載されています。そして、この口コミの中には、対象企業等の社会的評価を低下させてしまうような口コミも存在します。

本記事では、このようなjpnumberにおける口コミを削除する方法や、jpnumberで悪質な口コミを投稿した人物を特定する方法について解説します。

なお、当事務所でも、jpnumber上の悪質な口コミの削除を行っておりますので、お困りの方はこちらのお問合せフォームからお気軽にご相談ください。

jpnumber(JPナンバー)の口コミを削除する手順

jpnumberの口コミを削除する方法は基本的に次の2つです。

  • メールによる削除依頼
  • 仮処分の申立て

削除の流れとしては、まずはメールによる削除依頼を行った上で、それでも削除されないようであれば仮処分を申し立てることになるでしょう。以下、順に検討します。

削除方法①「メールによる口コミの削除依頼」

jpnumberの口コミについては、メールでjpnumberの担当者に削除依頼を出すことができます。

口コミの削除を依頼する際には、jpnumberの「ご利用案内」を確認しましょう。こちらの「ご利用案内」では、口コミを削除するに当たっての基準等が記載されています。

そして、この「ご利用案内」の次の文章のうち「こちら」をクリックすることで、削除依頼を送信すべき担当者のメールアドレスが判明します。

投稿されたクチコミに賛成できない場合は、こちらまでご連絡ください。

jpnumber「ご利用案内」

削除依頼をするメールの本文には、最低限、次のような内容を記載する必要があります。

  • 削除対象となる口コミの特定に必要な情報
  • 削除依頼の根拠となる事情

以下、順に詳細を記載します。

削除対象となる口コミの特定に必要な情報

削除対象となる口コミの特定に必要な情報としては、(i)当該口コミが掲載されているページのURLと(ii)当該口コミの投稿日時を記載するのが良いでしょう。

削除依頼の根拠となる事情

削除依頼の根拠となる事情としては、上記jpnumberの「ご利用案内」に記載されている「クチコミ削除の基準」に則った主張を記載する必要があります。

jpnumberが公表している「クチコミ削除の基準」には、次の4つが削除対象とされています。

  1. 1) 不適切な内容
  2. 2) 宣伝やスパム
  3. 3) 利害に関する問題
  4. 4) 個人情報

たとえば、公開したくない個人の住宅の所在地などの個人情報が記載されている場合には、このうちの4)に該当することを削除依頼の根拠として明示することになります。

このように、4)の個人情報に該当する情報を掲載している口コミについては、削除依頼の根拠となる事情を記載するのが比較的容易です。

これに対し、個人情報が公開されているわけではなく、社会的評価を低下させるような口コミが掲載されている場合には、当該口コミの削除依頼の根拠となる事情を記載する上で少し検討が必要となります。

jpnumberに掲載される口コミによって社会的評価が低下している場合、上記「クチコミ削除の基準」の1)に該当するものとして削除依頼の根拠を示すことになるでしょう。

具体的には、法的に名誉毀損がどのような場合に認められるかという判断基準を踏まえた上で、そのような判断基準に照らして検討した場合に、対象となる口コミが名誉毀損に該当するということを明示することになります。

削除依頼の根拠を適切に示せているか不安な方は、一度弁護士に相談するとよいでしょう。

その結果、弁護士に依頼をし、弁護士から削除依頼を行うことになれば、早期に削除が実現できる可能性もあります。

※ 名誉毀損に該当すると思われる投稿について、弁護士に依頼せず、自分自身で削除依頼をする場合には、プロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会の公表している名誉毀損・プライバシー関係ガイドライン(第4版)を参考に削除依頼の根拠を組み立てることが考えられます。このガイドラインでは、参考になる裁判例(最判平成24年3月23日など)も記載されています。

削除方法②「削除仮処分の申立て」

メールによる口コミの削除依頼によっても口コミが削除されない場合には、仮処分の申立てが考えられます。

仮処分手続については、専門的な知識を必要とする場面も多いことから、基本的には弁護士に依頼するべきでしょう。

特にjpnumberに関しては、サイト運営者を把握しなければ仮処分手続を進めることができませんが、インターネットトラブルに注力している弁護士であれば、基本的に、jpnumberのサイト運営者を把握しているものと考えられます。

当事務所でも、jpnumberの運営者を相手に削除仮処分命令の申立てを行い、jpnumber上の投稿の削除を実現した実績があります。

なお、削除の仮処分手続に必要な時間や費用については「【弁護士が解説】悪質な投稿を削除する方法と時間や費用について」もご参照ください。

jpnumber(JPナンバー)に関する開示請求の方法

ここまで、jpnumberの悪質な投稿を削除する方法を記載してきました。

しかし、jpnumberの悪質な投稿を一度削除したとしても、同じような口コミが繰り返しjpnumber上に投稿されてしまう可能性は否定できません。

将来にわたる誹謗中傷の継続を阻止するために、口コミの削除だけでなく、開示請求も進めることで、口コミの投稿者特定まで行う方が良い場合もあります。

IPアドレスの開示請求

当事務所の記事「悪質な投稿を行う投稿者を特定する方法と費用は?」でも記載したとおり、インターネット上の投稿・口コミの投稿者を特定するためには、基本的に①IPアドレスの開示請求②契約者譲歩の開示請求の二段階の手続を踏む必要があります。

これはjpnumber上の口コミに関しても同様です。

このうち①IPアドレスの特定は、jpnumberの投稿に関しては、開示仮処分命令の申立てを行うか、開示命令の申立てを行うか、いずれかの方法で開示請求手続を進める必要があります。

後者は、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「プロバイダ責任制限法」といいます。)が令和3年に改正されたときに新設された手続であり、比較的新しい方法です。

いずれの手続を進めるにしても、jpnumberのサイト管理者を相手にする必要があるため、jpnumberのサイト管理者を把握している弁護士に依頼して手続を進めるのが良いでしょう。

契約者情報の開示請求

IPアドレスが特定できれば、当該IPアドレスを使用した投稿者の契約者情報(氏名及び住所など)の開示請求手続に移ります。

この二段階目の手続は、基本的に、プロバイダ責任制限法の令和3年改正によって新設された開示命令の申立てによって行うことになります。

令和3年改正前は訴訟を提起するしかなく、開示を実現するまでに半年程度の期間を要することも少なくなかったのですが、この開示命令の申立てができるようになった結果、契約者情報の開示を実現するまでの期間が相当程度短縮されている印象です。

なお、従来どおりの開示請求訴訟と、令和3年改正後の開示命令の申立てに関しては、その使い分けに関し、総務省は次のとおりの見解を公表しています。

発信者情報開示命令(第8条)は、開示請求事案には、開示要件の判断困難性や当事者対立性の高くない事案があることを踏まえ、こうした事案に係る裁判の審理を簡易迅速に行うことができるようにするため創設されたものです。したがって、このような事案においては、発信者情報開示命令の申立てを利用することが想定されます。

他方、事前にプロバイダから強く争う姿勢を示されたケースなど、裁判所が開示命令を発したとしても異議の訴えが提起され訴訟に移行するとあらかじめ見込まれるような事案については、開示請求をする者としては、開示命令の手続を選択するとかえって審理期間が長期化する可能性があることを考慮して、開示命令手続を選択せず、発信者情報開示請求訴訟を利用することが想定されます。

総務省|プロバイダ責任制限法Q&A|問23

二段階目の手続の結果、裁判所が開示相当と判断した場合、jpnumberにおいて悪質な口コミを投稿した投稿者の特定が実現されることになります。

最後に

本記事では、jpnumberに掲載された口コミを削除するための方法と、jpnumberで悪質な投稿を行なった人物を開示請求によって特定する方法を解説しました。

jpnumber上の口コミを放置していると、顧客獲得の場面で悪影響を及ぼす可能性があるほか、取引先からの評価が低下する可能性もあります。

本記事が、jpnumber上の悪質な口コミ削除の実現や、開示請求の実現に役立ちますと幸いです。

なお、当事務所でも、jpnumber上の悪質な口コミの削除や、jpnumberで悪質な投稿を行った人物の開示請求を通じた特定を行っておりますので、お困りの方はこちらのお問合せフォームからお気軽にご相談ください。

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